質問

ジンは何らかの方法で人間を助けるのですか。

シャイターン(悪魔)とジンの違いはありますか。シャイターンは男女から作られるのですか。シャイターンは人間と付き合いますか。そして人間が主に背いた場合、その償いにシャイターンがかれらに仕えるのですか。ムスリムのジンは、スレイマーン(かれに平安あれ)に務めたようにムスリムに仕えるのですか。シャイターンまたはジンが人間に仕えることができるならば、なぜムスリムのジンはクッファールに対する戦争で、ムスリムの人間を助けないのですか。なぜかれらに秘密を教えて、イスラームを支持しないのですか。なぜ、カーフィルのジンはカーフィルの人間を何らかの方法で助けないのですか。預言者(かれに平安とアッラーのご加護を)の時代にこのような例がありますか。このことについて書物があるならば、それについて教えてください。わたしはシャイターンの悪から身を守りたいのです。アッラーがわたしを悪からお守りくださるように願います。
回答
回答
アッラーに讃えあれ。 シャイターンはジンの仲間である。彼等は反逆者であり、ジンの中で最も邪悪な者である。人間の悪魔が反逆的であり、最も邪悪であるのと同じである。人間と同じように、ジンにも反逆的で、最も邪悪な悪魔、カーフィル、悪人がいる。ジンの中には、信仰深く、善なるムスリムもいる。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「そしてわれは、どの預言者にも一つの敵を作った。それはジンと人間の中のシャイターン(悪魔)であって、そのあるものが他を感激させて、はなやかな言葉で唆し騙している。主の御心でないならば、彼らはそうしなかったであろう。だから彼らのその虚偽を放って置きなさい。」 [家畜章 6:112] 多くの学者によると、シャイターンはジンの父親である。彼は主に従わず、傲慢であったため、アーダムに跪拝しなかった。そのためアッラーは彼を追放した。別の学者達は、シャイターンがアル・ジンと呼ばれる天使の一団であったと言う。彼は傲慢ゆえに跪拝しなかったため、アッラーは彼を追放した。彼はあらゆる悪者、性悪なもの、カーフィル、犯罪者の指導者になった。人間は誰でも自分の中にシャイターンと天使を持っている。預言者(かれに平安とアッラーのご加護を)は申された。 「誰でも自分の中に、ジンの永遠の友(カリーン)と天使の永遠の友を持っている。」彼らは「あなたもですか、アッラーのみ使い様。」彼は答えられた。「わたしも同じである。しかしアッラーは彼(邪悪な友)に対してわたしを助けられたので、彼はムスリムになった。」 そして預言者 (かれに平安とアッラーのご加護を)はシャイターンが人間に悪を吹き込み、悪に誘うと申された。アッラーの命令によって、彼が人間の心を支配し、どんな悪いことや善いことを使用としているのかを見つけ出す時がある。また天使が人間の心を支配する時がある。彼は善行に向けさせ、善に導く。アッラーが彼らに許していることがある。かれは二人の友、ジンの友と天使の友にこれらのことをさせる。預言者 (かれに平安とアッラーのご加護を) でさえ、自分の中にシャイターンを持っていた。上記で示したように、それはジンの仲間で永遠の友(カリーン)であった。ハディースの中で、預言者 (かれに平安とアッラーのご加護を)は申された。 「誰でも自分の中に、ジンの永遠の友(カリーン)と天使の永遠の友を持っている。」彼らは「あなたもですか、アッラーのみ使い様。」彼は答えられた。「わたしも同じである。しかしアッラーは彼(邪悪な友)に対してわたしを助けられたので、彼はムスリムになった。」 即ち人間は誰でも、自分の中に天使の友とシャイターンの友を持っている。信仰者はアッラーに従い、主の宗教を強く守ることで、自分の中のシャイターンを押さえ込む。自分のシャイターンが弱くなり、アッラーの御意志の外は、信仰者の善行を止められず、悪行に陥れられなくなるまで、シャイターンを打ち負かす。不服従と悪行によって罪を犯すものは、シャイターンに力を与えるために、自分をさらに悪くさせ、悪行に励み、善行を阻ませるようになる。信仰者はアッラーを畏れ、アッラーとその預言者に従い、シャイターンを避けるためアッラーに庇護を求めることによって、シャイターンと闘わなければならない。アッラーとその預言者に従い、アッラーの命令に留意し、天使を助ける努力をしなければならない。 ムスリムは、アッラーと預言者に従うために人間の同胞を助けるのと同じように、ジンの仲間を助けなければならない。人間は気付かないうちに彼らを助けているかもしれない。回りの人間に教えることで、アッラーと預言者に従うように彼らを助けているかもしれない。ジンもモスクなどで人間の説話を聞いて、それから学んでいるかもしれないからである。人間もまたジンにとって役立つことを聞いているかもしれない。礼拝のために起きたり、彼らに益または害のあることに耳を傾けているかもしれない。こういったことはすべて、人間の目に映らないにも関わらず、現実に起こっている。ジンが何か善いことや悪いことに人間を向かせようとする時に、人間の目に映ることがあるかもしれない。稀ではあるが、実際に起こりえる。通常は人間の前には現れないが、礼拝のために人を起こしたり、何かを知らせる時は、その声が聞こえることがある。結論として、信仰するジンは、信仰者が気付かないうちに彼らを助ける。そして彼等は信仰者にとって善いことをすべて愛する。同じように、信仰する人間はジンの中で信仰するジンにとって善いことをすべて愛する。そしてアッラーに善いこと凡てを彼らに与えるように祈る。上で述べたように、彼等は説話を傾聴し、クルアーンと叡智を学ぶことを好む。ジンの中で信仰者たちは時には土地によっては、人間の説話に臨み、人間の説話から学ぶ。これは実際に起こったことであり、よく知られている。これはジンが連絡をとり、質問された多くの学者によって、明確に述べられてきた。ジンはかれらの説話を傾聴したのである。これはよく知られたことであり、アッラーの御助けこそ我々の求めるものである。 アッラーは、スーラトル・アハカーフの終わりに、ジンが預言者(かれに平安とアッラーのご加護を)のクルアーンを聞いたと仰せられた(意味の解釈)。 「われが、(静かに)クルアーンを聞いたと言うジンの仲間(3‾10人)をあなた(ムハンマド)に差し向けた時のことを思い起こしなさい。かれらがその場に臨むとお互いに『謹んで聞きなさい。』と言った。やがてそれが終わると、警告者として、その民の元に帰った。 彼らは言った。『わたし達の人びとよ、わたしたちはムーサーの後に下された啓典(クルアーン)を確かに聞きました。それは以前に下されたものを確証し、真理と正しい道(イスラーム)を導くものです。』」 [砂丘章 46:29-30] そしてアッラーは別のスーラで他のアヤを啓示された。かれは仰せられた。 「(ムハンマドよ)言ってやるがよい。「わたしにこう啓示された。一団のジン(3‾10人)が(クルアーンを)聞いて言った。『わたしたちは、本当に驚くべき(クルアーンの)読誦を聞いた。』」 [アル・ジン章 72:1] この問題について、多くの本が書かれている。イブン・アル・カイユム(彼にアッラーの御慈悲を)は彼の著書の中でこの問題に多くのページを割いている。また学者による本で、アル・シビリのアル・マルジャアーン・フィ・バイアン・アハカーム・アル・ジャアーンという題の書物が有用である。この問題を扱った他の書物がある。書店で求めるとよい。タフシールの書物を読んで、スーラトル・ジンやスーラトル・アル・アハカーフやその他ジンに関する解説を読むとよい。ムファッシリーン(かれらにアッラーの御慈悲を)がジンに付いて述べていることから、彼等の善いことも悪いことも、多くのことを学べる。
キターブ・マジュムー・ファターワ・ワ・マカーラト・ムタナウィ・アハリ・サマーハト・アッシェイク・アル・アッラマー・アブダル・アジーズビン・アブダッラー・ビン・バーズ (彼に