質問

イブリースはまだ生きていますか

ジンに生死があるのならば、イブリースは死んだのですか。それともまだ生きていますか
回答
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アッラーに讃えあれ。 人間を創造し、彼らを試すのが、アッラーのやり方である。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「これはアッラーが、あなたがたが胸に抱いていることを試み、あなたがたの胸の中に抱くもの(罪)を払い清められるためである。本当にアッラーはあなたがたの胸に抱くことを熟知される。」 [イムラーン家章 3:154] アッラーが我々を試されるものがイブリース(彼のアッラーの呪いあれ)である。アッラーは彼に猶予を与えたが、彼は善行を妨げ、悪行を命じ、また善きことを禁じ、悪いことを命じる。アーダムの子孫の中で多くのものが、彼を信じて従うが、彼は道を誤っており、他人を惑わせる。アッラーはそうすると誓っている。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「われが天使たちに『アーダムに跪拝しなさい。』と告げた時を思え。その時イブリース(サタン)以外は跪拝した。彼は言った。『あなたが泥で創ったものにどうして跪拝しましょうか。』 [イブリース(サタン)は]『あなたはわたしよりも重視されたこの者をご覧ください。だがもし復活の日まで、わたしに猶予を下さるなら、僅かの者を除き、彼の子孫を(迷わせ)私の配下に致しましょう。』と言った。 (アッラーは)仰せられた。『去れ。もし彼らの中あなたに従う者があれば。本当に地獄こそあなたがた(一味)への応報、十分な応報である。 あなたの声(歌、音楽、アッラーへの不服従の呼びかけ)で彼らの中の出来る限りの者を動揺させ、あなたの騎兵や歩兵でかれらを攻撃しなさい。(金利などの不正な収入を稼いだり、不埒な性交をするようにかれらを誘惑して、)財産や子供つくりを協力し、かれらに約束を結べ。』だが悪魔への約束は、欺瞞に過ぎない。 『本当に、われのしもべたち(イスラームの唯一神を誠に信じる者たち)よ。 — あなたは、われのしもべに対して何の権威も持たない。あなたの主は、信頼する方として万全である。』」 [夜の旅章 17:61-65] 「われはあなたがた(あなたの先祖アーダム)を創り、(人間の高貴な)形を授け、それからわれは、天使たちに向かって、「アーダムに跪拝しなさい。」と告げた。それで外のものは皆サジダしたが、イブリース(悪魔)だけはサジダした者の中に加わらなかった。 (アッラーは)仰せられた。『われがあなた(イブリース)に命じた時、どうしてサジダしなかったのか。』悪魔は答えた。『わたしはかれ(アーダム)よりも優れております。あなたはわたしを火から御創りになりましたが、かれを泥で創られました。』 (アッラーは)仰せられた。『(イブリースよ)ここから落ちてしまえ。あなたはここで傲慢であるべきではない。立ち去れ。あなたは本当に卑しむべきである。』 (イブリースは)答えた。『かれらが甦らされる日(復活の日)まで、わたしを猶予してください。』 (アッラーは)仰せられた。『あなたは猶予されよう。』 (イブリースは)答えた。『あなたがわたしを惑わされたので、わたしはあなたの正しい道の上で、かれら(人間)を待ち伏せるであろう。 そしてわたしはかれらを前から、後から、右手からも左手からも襲いましょう。あなたは多くの者が(御慈悲に対して)感謝しないこと(彼らはあなたに従順ではない)が御分かりになるでしょう。』 (アッラーはイブリースに)仰せられた。『恥辱を受けて追われて、ここ(楽園)から出て行け。およそかれら(人間)の中あなたに従う者があれば、われはあなたがたの人々で地獄を満たすであろう。』」 [高壁章 7:11-18] これらのアヤの明白な意味から、アッラーは確かに約束された日まで、イブリース(彼にアッラーの呪いあれ)の死を遅らせている。誰も知らない、アッラーにしか分からない日まで、彼の死を延期してきた。イブリースはアッラーに猶予を与えるように頼んだのである。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「[イブリース(悪魔)は]申し上げた。『主よ、かれら(死者)が呼び起こされる日まで、猶予をお願いします。』 (アッラーは)仰せられた。『あなたは猶予されよう。定められた日まで』」 [サード章 38:79-81] 「定められた日まで」の語句について、学者の意見が異なっている。 一部の学者は、トランペットが二度目になる復活の日であると言う。 別の学者達はイブリースの定められた寿命を指していると言う。 殆どの学者は、「定められた日」とは、第二のトランペットではなく、最初のトランペットが鳴って、万物が死ぬ日であると主張する。かれらによると、第二のトランペットが鳴る復活の後、死は無くなるからである。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「そしてラッパが吹かれると、天にあるもの、また地にあるものも、アッラーがお望みになられる者の外は気絶しよう。次にラッパが吹かれると、見よ、かれらは起き上がって、(待って)見回す。」 [集団章 39:68] アル・バイダアウィはタフシールで次のように説明している。 「定められた日まで」とは、大多数の意見によると、アッラーが定めた時、または最初のトランペットが鳴って、凡ての人間が死ぬ日である。 (タフシール・アル・バイダウィ- 3/370) アル・クルトビ(彼にアッラーの御慈悲を)はタフシールの中でこのアヤのことを述べている。 イブン・アッバースによると、「主がここで意味することは、最初のトランペットが鳴る時、すなわち万物が消滅する時である。または定められた時であり、アッラーだけがご存知であり、イブリースは知らない。そのためイブリースは死に、それから復活する。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「それ(地上)にある万物は消滅する。」 [慈悲あまねく御方章 55:26] (タフシール・アル・クルトビ-10/27) アル・タバリはタフシールの中でアル・スッディから伝えている。 「[イブリース(悪魔)は]申し上げた。『主よ、かれら(死者)が呼び起こされる日まで、猶予をお願いします。』 (アッラーは)仰せられた。『あなたは猶予されよう。定められた日まで』」 [サード章 38:79-81] かれは復活の日まで猶予を与えられていない。それは定められた日までであり、最初のトランペットが鳴り、天にいる者も地上にいる者も気絶して、死ぬ。 (8/132) イマーム・アッシャウカーニはこのアヤをタフシールの中で述べている。 アッラーが万物の死を命じている日であり、最後のトランペットが鳴り響く時、または最初のトランペットの時とも言われている。イブリースは死を免れるため、復活の日まで猶予を与えられるように頼んだと言われている。彼は復活まで猶予が与えられるならば、それまで死ななくてよいため、死を避けられることになる。しかし、アッラーは、彼の望みを拒み、目的を妨げるような形で答えた。かれは定められた日まで猶予が与えられたが、それはアッラーだけがご存知であり、誰も知らない。 (ファース・アル・カディール- 4/446) これはイブリース(彼にアッラーの呪いあれ)がまだ生きており、地上に危害を広め、人びとをアッラーの道から逸らせていることを示している。しかし彼は不死身ではなく、復活の日まで生きることはない。彼が死ぬ運命の日がある。それがいつかはアッラーだけがご存知である。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「誰でも皆死を味わうのである。」 [イムラーン家章 3:185] 「それ(地上)にある万物は消滅する。 だが永遠に変わらないものは、尊厳と栄誉に満ちたあなたの主の慈顔である。」 [慈悲あまねく御方章 55:26-27] またイブリース(彼にアッラーの呪いあれ)が預言者(彼に平安とアッラーのご加護を)の時代に生きていたことを示す伝承がある。 ·イブリースはバドルの日に、スラーカ・イブン・マーリクの姿をして現れた。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「またシャイターン(悪魔)が、かれらの(邪悪な)行いを立派であると思わせてこういった時を思え。『今日(バドルの戦いの日)は、人間は誰も、あなたがたを打ち勝つことは出来ない。本当にわたしはあなたがたの(あらゆる手助けをする)近隣者である』だが両軍が互にあった時、かれは踵を返していった。『わたしは、本当にあなたがたとは関係がない。本当に、わたしはあなたがたに見えないものが見える。わたしは、本当はアッラーが恐ろしいのだ、アッラーは処罰に厳重であられる。』」 [戦利品章 8:48] イブン・カシールは、このアヤについてタフシールの中で述べている。 彼(彼にアッラーの呪いあれ)は、彼らがやってきた理由と彼らがやりたいことに惹き付けた。かれは彼らがその日誰からも制圧されてないであろうという望みを高め、かれらの家が敵のバヌ・バクルに攻撃されるかもしれないと言う恐れを静めた。彼は「本当に、わたしは(あらゆる手助けをする)近隣者である」と言った。バヌ・ムドリジュの族長であり、地域の指導者であるスラーカ・イブン・マーリク・イブン・ジャシャムの姿をして現れたからである。それはすべて彼の仕業である。アッラーは仰せられた(意味の解釈)。 「(悪魔は)かれらと約束を結び、虚しい欲望に耽らせるであろう。だが悪魔の約束は、欺瞞に過ぎない。」 [婦人章 4:120] イブン・ジュライジュは言った。「イブン・アッバース(彼がアッラーを喜ばせんことを)がこのアヤについて述べた。「バドルの日が来た時、イブリースは旗を掲げて、ムシュリキーンの軍隊を連れて行進した。そしてムシュリキーンに、誰もかれらを打ち負かさないであろうし、彼はかれらの近隣者であることを知らせた。しかし敵が戦場で対決し、シャイターンが(ムスリム軍に)天使の増兵を見ると、彼は逃げ出した。踵を返して、立ち去った。本当に、わたしはあなたがたの見ないものを見る。・・・ (タフシール・イブン・カシール- 2/318) ·彼(彼にアッラーの呪いあれ)はまたウフドの日にも現れた。サヒーヒ・ハディースの伝承によると、アイシャ(彼女がアッラーを喜ばせんことを)は伝えている。「ウフドの日、ムシュリキーンは打ち負かされた。するとイブリースは叫んだ。『アッラーのしもべたちよ。あなたがたの後にいるものに気をつけなさい。』すると前の者が後ろの者を攻撃した。フドハイファが見ると、父親のアル・ヤマーンであった。彼は『アッラーのしもべたちよ。わたしの父だ。わたしの父だ。』と叫んだ。アッラーによって、かれらはアル・ヤマーンを殺すまで止めなかった。フドハイファは『あなたがたにアッラーの御赦しを』と言った。」ウルワー(伝承者)は「アッラーのおかげで、このことからフドハイファはアッラーに接見する(死ぬ)まで良い状態であった。」 (アル・ブハリの伝承- 3047) サヒーヒ・ハディースの中で、預言者(かれに平安とアッラーのご加護を)がイブリースを見られたことを伝えている。サヒーヒ・ハディースの中で、アブダル・ダルダ (彼がアッラーを喜ばせんことを) の言葉を伝えている。「アッラーのみ使い様 (かれに平安とアッラーのご加護を)は立ち上がり、『おまえを避けるため、アッラーの庇護を求める』と申されました。そして『アッラーの呪いでおまえを呪う。』と三回言われた後、何かに手を伸ばすような仕草をされました。礼拝が終わると、我々は『アッラーのみ使い様、礼拝の時に私たちが今まで聞いたことがないことを話されるのを聞きました。それから手を伸ばされるのを見ました。』と言うと、「アッラーの敵イブリースが炎を持って、私の顔に投げるためにやってきたので、『お前を避けるため、アッラーの庇護を求める』と三回唱えたが、彼が退散しないので、彼を捕まえようとしたのだ。アッラーのおかげで、それが我々の教友スレイマーンのための礼拝でなければ、彼は拘束され、メディーナの人びとの子供達が彼にいたずらできたであろうに。」 (ムスリム- 843、アル・ナサーイ- 1200) アブ・サイード・アル・クドリの伝承によると、アッラーの使徒(かれに平安とアッラーのご加護を)は朝(ファジャル)の礼拝を行っているとき、アブ・サイードが後にいた。彼が朗誦をしている途中に狼狽した。礼拝が終わると彼は「せめてあなただけでも私とイブリースが見えただろうか。わたしは彼を掴み、親指と人差し指で彼の唾液が冷たいと感じるまで、喉を締めつけようとしました。スレイマーンの礼拝のためでなければ、今日の朝は彼をモスクの柱に括りつけて、メディーナの子供達が悪戯できたのに。あなたがたのなかでイブリースが自分とキブラの間に来るのを静止できる者は、そうしなさい。」 (アハマドの伝承- 11354). ·ジャビール(彼がアッラーを喜ばせんことを)の言葉が伝えられている。「預言者(かれに平安とアッラーのご加護を)が申された。『イブリースの玉座は海の上にあり、彼は軍隊を送って、人々の間に危害(フィトナ)を広めている。彼の目から見た最も偉大な者は、もっとも多くのフィトナを引き起こす者である。』」(ムスリム-5031、アハマド- 1427の伝承) そのためイブリース(彼にアッラーの呪いを)はまだ生きており、アッラーがそれまで猶予を与えている運命の日に死ぬ。それは最も正しい学者の見解によると、トランペットが最初に鳴る日である。アッラーは最もよくご存知である。
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