記事について

著者 :

Muhammad Bin Ibrahim Al-Tuwajre

日付 :

Tue, Apr 25 2017

カテゴリー :

Morals & Ethics

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預言者モスクの訪問


預言者モスクの訪問

] 日本語 [

زيارة المسجد النبوي
[اللغة اليابانية ]


ムハンマド・ブン・イブラーヒーム・アッ=トゥワイジリー
محمد بن إبراهيم التويجري

翻訳者: サイード佐藤
ترجمة: سعيد ساتو
校閲者: ファーティマ佐藤
مراجعة:  فاطمة ساتو


海外ダアワ啓発援助オフィス組織(リヤド市ラブワ地区)
المكتب التعاوني للدعوة وتوعية الجاليات بالربوة بمدينة الرياض
1429 – 2008


 
⑩預言者モスクの訪問

●    3つのモスクの特質:

3つのモスクとは:①マッカのハラーム・モスク、②マディーナの預言者モスク、③エルサレムのアクサー・モスクのことです。

1-ハラーム・モスクとは:イブラーヒーム(アブラハム:彼に平安あれ)とその息子イスマーイール(イシュマエル:彼に平安あれ)の建設したモスクで、ムスリムのキブラ(礼拝の際に向かう方向)であり、ハッジの訪問先でもあります。またそれは史上最初に人々の崇拝行為のために建設された館であり、アッラーはそれを祝福に溢れ、全世界のための導きとされました。

預言者モスクはその名の通り、預言者ムハンマド(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)とその教友たち(彼らにアッラーのご満悦あれ)がタクワー の念を礎として建設したモスクです。

アクサー・モスクはヤアクーブ(ヤコブ:彼に平安あれ)が建設したモスクで、ムスリムの最初のキブラでした。

2-これら3つのモスクでのサラー(礼拝)には、幾倍もの報奨があります。またそれ以外の諸々の特質ゆえにも、ムスリムはこれら3つのモスク以外の場所を目的地として旅立ちはしないのです。

●    預言者のものであるかそうでないかを問わず、誰かの墓の訪問を目的として旅立つことは禁じられています。

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「ハラーム・モスク、預言者モスク、アクサー・モスクの3つのモスク以外の場所を目的として旅立ってはならない 。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承 )

 

●    預言者モスクの訪問に関する法的見解:

預言者モスクの訪問はスンナ です。預言者モスクに入ったら他のモスクでするのと同様に、まず2ラクアのタヒイヤト・アル=マスジド を行います。
それから預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)のお墓に赴き、その前に立って「アッ=サラーム・アライカ・アイユハンナビイユ・ワ・ラフマトゥッラーヒ・ワ・バラカートゥフ(預言者よ、あなたにアッラーからの平安とご慈悲と祝福あれ)」と挨拶します。また正しいハディースによって伝えられる、墓を来訪した際の他のドゥアーを唱えても良いでしょう。それから右側に一歩進み、アブー・バクル(彼にアッラーのご満悦あれ)にも同様に挨拶します。そしてその後はまた右側に一歩進み出て、今度はウマル(彼にアッラーのご満悦あれ)に挨拶します。

アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:「私に挨拶(サラーム)する者には、私がそれに返事すべく、アッラーが私の魂を私の体に戻して下さるであろう。」(アブー・ダーウードとアフマドの伝承 )

●    預言者モスクでサラー(礼拝)することの徳:

マディーナの預言者モスクでのサラーは、それ以外のモスクでするサラーの1000倍の報奨があると言われています(但しマッカのハラーム・モスクは除きます)。

1-イブン・ウマル(彼らにアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「私のこのモスクでするサラーは、それ以外の他のモスクでする1000回のサラーよりも優れている。但しハラーム・モスクはその限りではないが。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承 )

2-アブー・フライラ(彼にアッラーのご満悦あれ)によれば、預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は言いました:「(預言者モスクにおける)私の住まいと私のミンバル(説教壇)との間には、天国の楽園の1つがある。そして私のミンバルは、(天国にある)私の水辺 の上にあるのだ。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承 )

●    アル=バキーゥの墓地 とウフドの役の殉教者たちを訪れ、彼らに挨拶やドゥアー(祈願)をしたり、罪の赦しを乞うたりすることはスンナです。尚、墓場を訪れた時には次のように唱えます:

1-「イーマーンの徒とイスラームの徒 からなる墓の住人たちよ、あなた方の上に平安あれ。アッラーが私たちの内の先人たちにも後人たちにも、ご慈悲を垂れて下さいますように。そして実に私たちはアッラーの思し召しと共に、やがてあなた方の所へと仲間入りする身の上なのです。」(ムスリムの伝承 )

2-あるいはこう唱えます:「イーマーンの徒とイスラームの徒からなる墓の住人たちよ、あなた方の上に平安あれ。実に私たちはアッラーの思し召しとともに、やがてあなた方の所へ仲間入りする身の上なのです。私はアッラーに、私たちとあなた方の無事 を祈ります。」(ムスリムの伝承 )

●    クバー・モスク でサラーすることの徳:

家でウドゥー してから、乗り物なり徒歩なりでクバー・モスクへと赴いて2ラクアのサラーをすることは、ウムラを1回分の報奨に匹敵します。尚それには土曜日が最もよいと言われています。

1-サハル・ブン・ハニーフ(彼にアッラーのご満悦あれ)は言いました:「アッラーの使徒(彼にアッラーからの平安と祝福あれ)は言いました:“自宅で体を清め、それからクバー・モスクに赴いてサラーをする者には、ウムラ1回分の報奨があろう。”」(アン=ナサーイーとイブン・マージャの伝承 )

2-イブン・ウマル(彼らにアッラーのご満悦あれ)は言いました:「預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)は毎週土曜日に、乗り物用の家畜かあるいは徒歩でクバー・モスクを訪れたものです。」(アル=ブハーリーとムスリムの伝承 )

●    マディーナの預言者モスク来訪はハッジやウムラの儀の一環というわけではなく、それなしでも巡礼は成立します。預言者(彼にアッラーからの祝福と平安あれ)のモスクを訪れることは、いかなる時期においてもスンナなのです。